よくあるカビ(真菌)による皮膚炎

主な症状

白癬(はくせん)

トリコフィトンやエピデルモフィトンといった真菌によって引き起こされます。これは、感染した人や動物からの接触により広がることがあります。

カンジダ症

カンジダという真菌によって引き起こされます。この真菌は、通常、体の自然なバランスが崩れることで増殖し、感染を引き起こすことがあります。カビの繁殖が促進される要因には、湿度、体の免疫力の低下、抗生物質の使用などがあります。

マラセチア症

マラセチアという真菌によって引き起こされます。この真菌は、皮脂腺の過剰な油分や湿度の高い環境で繁殖します。これにより、頭皮や顔のTゾーンなどの脂漏性部位で症状が発生することがよくあります。

主な治療法

白癬

主に抗真菌薬のクリームや軟膏の外用による治療が行われ、浸軟・ビラン面には亜鉛華軟膏の外用を先行あるいは同時に行うことがあります。特に爪白癬やケルズス禿頭など難治の場合には抗真菌剤の内服薬による治療を行います。

カンジダ症

抗真菌薬のクリームやオーラルゲルによって治療され、陰部の場合には膣剤の挿入を使うこともあります。

マラセチア症

抗真菌薬の外用クリームやシャンプー、洗浄剤によって治療されます。
これらの治療法は、真菌の成長を阻止し、炎症を軽減することを目的としています。

また、適切な治療のためには、皮膚科の専門医の指導を仰ぐことが重要です。自己処理や薬局での薬の購入だけでなく、正確な診断と処方箋に基づいた治療を受けることが望ましいです。また、治療中は清潔な状態を保ち、感染の広がりを防ぐために衛生対策を徹底することも重要です。

まとめ

予防方法としては、以下のことに注意する必要があります。まず、適切な衛生状態を保つことが重要です。毎日の入浴やシャワーや清拭を行い、皮膚を清潔に保ちましょう。特に、湿度の高い場所や共有スペースでは、清潔さを重視しましょう。

次に、適切な衣類と靴の選択が重要です。通気性の良い素材を選び、湿気を溜め込まないようにしましょう。特にスポーツやトレーニングの際には、汗をかいた後は早めに着替えることが必要です。

また、公共の場や共有スペースでの衛生対策も重要です。シャワーやプール、ジムや公衆浴場などの利用後には、足をよく拭いたり、よく洗ったり、洗ってあるタオルの上で100回程、足踏みをしたりして発症を予防しましょう。尚、お風呂場までは素足で歩かずに洗えるスリッパや拭き取れる素材の履き物で移動し、足拭きマットやタオルを踏まずにお風呂場に入り、お風呂から出る時に(家族とは別の)洗ってあるタオルを足拭きマットとして使いましょう。

また、足拭き以外でもタオルや衣類の共有は避け、自分専用のものを使用するようにしましょう。

さらに、皮膚を乾燥させることも予防に効果的です。カビは湿度の高い環境で繁殖するため、入浴後や水に触れた後は、タオルで十分に乾かし、湿気を残さないようにしましょう。

最後に、免疫力の維持が重要です。バランスの取れた食事、十分な睡眠、ストレスの管理など、健康的な生活習慣を心がけましょう。免疫力が低下すると感染症への抵抗力が弱まるため、真菌に感染しやすくなります。

予防は常に意識して行うことが大切ですが、もし皮膚炎の症状が現れた場合は、早めに皮膚科の専門医に相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。

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